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みなさんは大坂なおみ選手のインタビューやスピーチは気になりますか?
2018年の全米オープンテニス女子シングルス決勝戦で、女王セリーナ・ウィリアムズにストレート勝ちし、グランドスラム初優勝を果たした大坂なおみ選手は異例の謝罪スピーチをしましたよね。
でもあの言葉で彼女のファンになってしまった人は多いのではないでしょうか?
「みんながセリーナを応援していたことを知っている。こんな終わり方ですみません」という言葉はとても勝者の言葉とは思えませんでしたが、その後日本でなおみフィーバーがおきたのはいうまでもありません。
全豪オープンテニス女子シングル、グランドスラム連続優勝という偉業を成し遂げ、彼女はついに2019年1月26日世界ランキング1位の座を射止めたのです。
この全豪オープン優勝後のスピーチはどうでしたか?
大坂なおみ選手の気になる英語表現を中心に一緒に勉強しましょう
そもそも英語でやりきったって何ていうの?
大坂なおみ選手は「ごめんなさい、人前で話すのが苦手なので」と前置きしたうえで上手く自分の気持ちが伝わるよう頑張りたいと“get through”を使ってこう表現しています。
I just hope I can get through this. 「なんとかやり遂げたいなと思っています」と言っていましたよね。
ここで使っている“get through”は「切り抜ける」とか「通過する」という意味です。
“through”には何かを切り抜ける、というようなニュアンスがありますよね。
トンネルのようなところを通り抜けるイメージを持つとよいでしょう。
現在進行形で表現すると“I’m going through~”ですから「私は今まさに~を体験しているところだ」という意味になります。
「つらいこと」、「試練などの中にいる」、という感じのニュアンスです。
また過去形で表現すると“I got through~”となり、「すでに~をやり遂げた」、「乗り切った」という意味になります。
(例文)
A:I confessed to my love, but my love turned me down.
「片思いの人に告白したけど、振られちゃった」
B: How did you get through it?
「あなたはどうやって切り抜けたの?」
(その他の例文)
I hope he will get through a difficult period of his life.
「彼が人生の困難な時期を乗り切ってくれるといいな」
“through”を使った英語表現
みなさんは“make it through”という表現を聞いたことがありますか?
この“make” というのは「努力して道を切り開く」というような場合によく使います。
“make it through”で「うまくやりとげる」「なんとか切り抜ける」という意味になります。
このように、句動詞は会話に必須です。
例えば“overcome”「克服する」、「打ち勝つ」、「乗り越える」という単語は知っていても、“get through”や“make it through”を上手く使いこなせていない人は多いのではないのでしょうか?
句動詞を使うと表現が豊かになることが分かりますよね。
大坂なおみ選手は“make it through”を使って自分を支えてくれるチームのメンバーに対して、こう言っています。
I really… I don’t think I would have made it through this week without you guys.
「みんながいなかったら本当にこの1週間を乗り切れなかったと思います」
チームスタッフに対しても感謝をしている人柄の良さが伝わりますよね。
(例文)
How am I going to make it through the parent-teacher meeting ?
「どうしたら保護者会をうまく切り抜けられるだろうか?」
(他の例文)
You have to make it through university if you want a good job.
「良い仕事に就きたいなら大学で上手くやり遂げないとね」
英会話でよく使う「仮定法」とは?
大坂選手のスピーチで文法的に気になるところがあります。
I really I don’t think I would have made it through this week without you guys
という文章ですが、ここに仮定法過去完了が出てきます。
みなさんは気づきましたか?
仮定法は受験英語のみの表現かと思いきや、実際の会話に頻繁にでてきます。
例えば若い女性は恋バナをするとき『タラレバ』で話をしませんか?
「あのとき私が彼の気持ちに気がついていたなら今頃はきっと幸せな生活をしていたに違いない」とか?
こういう『タラレバ』で現実逃避をしてしまうことはよくありますよね。
ですから仮定法は実は会話でよく使うのです。
ここで仮定法の基本的な考え方をおさらいしましょう。
「仮定法」は事実ではないことを仮定するときに使います(仮定している事実は現在にあります)。そして「仮定法過去完了」は、過去の事実と反対のことを述べる表現です(過去にある事実を仮定して述べます)。
<If+主語+had+過去分詞~>,< 主語+would(could, should)+have+過去分詞~.>
意味は「もし~だったら、~しただろう、~できたのに、~すべきだったのに」となります。
「形は過去完了形」ながら、語っているのは『過去のこと』です。
仮定法を理解する初歩としては、何が事実で、何を仮定しているのかをおさえることが大切です。
If節ではないほうの文に入る助動詞(would, could, should)によって、言いたいことのニュアンスが変わります。基本の意味として
「もしあの時~だったら、~しただろう」という時には“would”を
「もしあの時~だったら~できたのに」と能力や可能性に言及するなら“could”を「~すべきだったのに(しなかった)」なら“should”を使います。
ここで使われているのは<would have + 動詞の過去分詞>ですよね。
基本のかたち<would have + 動詞の過去分詞>「(もしあの時~だったら)~するところだった」「~だっただろう(実際はしなかった)」が使われているのです。
ここでもう1度彼女のスピーチを見てみます。
I really… I don’t think I would have made it through this week without you guys.
「あなたたちがいなかったら今週、勝つことはできなかったと本当に思います」
If節のかわりに“I really… I don’t think”と言っていますね。
一流アスリートを支えるチームはおそらく特別なのでしょうね。
(例文)
If I had been in town, I would have gone to your birthday party.
「まちにいたなら、あなたの誕生日パーティーにいったのに…(実際は行かなかった)」
I would have failed in the examination.
「私は試験に落ちていただろう」
大坂選手の仮定法を使った英語表現
大坂選手は仮定法を上手に使って対戦相手をリスペクトしています。
<wouldn’t have 過去分詞>の「~しなかっただろう。(実際はした)」を使って表現しているところがあります。
And honestly I wouldn’t have wanted this to be our first match.
「正直これが私たちの初めての対戦じゃなければよかったと思ってしまいます。(実際はした)」
「本当は彼女との試合が最初になることを望んでいなかったのに(実際はそうなってしまった)」という複雑な心情がわかりますよね。
こういう言い回しはこのまま覚えて使うほうが良いでしょう。
(例文)
I really wouldn’t have wanted to be driving very far.
「本当はこんなに遠いところまで運転したかったわけじゃないのに(実際はした)」
We wouldn’t have had an accident if I had driven.
「私が運転していれば事故にあわなかったのに(実際はした)」
まとめ
いかがでしたか?
有名選手の言葉は印象に残りやすいのでしっかり学習しましょう。
“get through”は「切り抜ける」と言う意味がありましたよね。
“get through”を使って大坂なおみ選手は何と言っていましたか?
I just hope I can get through this. 「なんとかやり遂げたいなと思っています」と言っていましたよね。
似ている表現として“go through ~”がありますが、こちらは「~を経験する」という意味でしたね。
“be through”を使っても同じ意味なので
“you’ve been through so much.”
「(大怪我のことなどを指して)とても大変な経験されました」と言っていましたよね。
“make it through”は「うまくやりとげる」「なんとか切り抜ける」という意味でした。
大坂選手はこの句動詞を上手く使って表現していましたよね。
I really… I don’t think I would have made it through this week without you guys.
「みんながいなかったら本当にこの1週間を乗り切れなかったと思います」
この文章には仮定法も含まれていましたよね。
基本のかたち「would have + 動詞の過去分詞」「(もしあの時~だったら)~するところだった」「~だっただろう(実際はしなかった)」が使われていましたよね。
仮定法を使った表現は他にもありましたよね。
<wouldn’t have 過去分詞>の「~しなかっただろう。(実際はした)」という意味でした。
And honestly I wouldn’t have wanted this to be our first match.
「正直これが私たちの初めての対戦じゃなければよかったと思ってしまいます。(実際はした)」
対戦相手に対するリスペクトもそうですが周囲に対する感謝を素直に述べたりとても良いスピーチですよね。
試合で見せる表情とインタビューなどで見せる表情の違いやギャップが魅力的な女性です。
みなさんも大坂なおみ選手のスピーチで使われている英語表現を覚えて人を魅了する英語を話せる人になりましょうね。
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